<児童ポルノ>「意図しない公開」に警告 滋賀県警、全国初


滋賀県警は9日、ファイル共有ソフトで意図せず児童ポルノを公開している利用者に、メールで警告する全国初の協定をプロバイダー(接続業者)と結んだと発表した。ファイル共有ソフト「Share(シェア)」を念頭に置いた取り組み。利用者に違法性を認識させ、削除要請に応じなければ立件も検討する。

 協定先は関西電力系の通信会社「ケイ・オプティコム」(大阪市)。シェア利用者のパソコンには、ネットワークにファイルを提供する「アップロード」▽ネットワークからファイルを得る「ダウンロード」▽ダウンロードしたファイルを一時保存する「キャッシュ」--の3種類のフォルダーがある。県警はこれまで、悪質で故意にアップロードされたものを中心に取り締まってきた。

 しかしシェアはダウンロードした画像などがキャッシュに残り、シェアの利用者に自動的に公開される仕組み。この場合、利用者に公開の意図があるか不明で立件は難しかった。

 協定では、県警がキャッシュにある児童ポルノを見つけると、IPアドレス(ネット上の住所)を特定し、同社を通じて警告・削除を要請。複数回の警告に従わないと、故意性があるとして児童ポルノ禁止法違反(公然陳列)容疑で摘発する。県警は「大多数の利用者は違法性に気付いていないとみられる。警告によって児童ポルノの拡散を防ぎたい」としている。

 プライバシーに関わる情報を第三者に提供することは「被害児童と利用者のプライバシーを比較すれば、当然児童が優先されるべきだ。みだりに提供するわけではない」と説明。今後、他のプロバイダーにも協力を求めていくという。

 滋賀県内では全プロバイダー契約30万件のうち、同社が半数を占めている。

 児童ポルノ規制を巡っては昨年4月、ユーザーがサーバー上の児童ポルノに接続するのをプロバイダーが強制遮断する「ブロッキング」が始まったが、個人のパソコン間でファイルをやり取りするファイル共有ソフトは「抜け道」と指摘されていた。また、京都府条例など児童ポルノの単純所持を禁じる動きもある。

 同社は「他府県警から申し出があれば協力したい」としている。【石川勝義】

毎日新聞2012年2月10日

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