児童ポルノ摘発過去最多 性的虐待も増加 警察庁
警察庁は4日、平成23年上半期(1~6月)の少年非行などの概要をまとめた。子供が被害者になる児童ポルノの摘発件数は前年同期比9・1%増の649件、被害児童は14・4%増の310人でいずれも過去最多になった。児童虐待の摘発件数は153件、被害児童は162人で過去最悪だった昨年同期より減少したものの、依然として高水準で推移している。
まとめでは、児童ポルノの摘発で最も多いのは単純製造の310件。続いて不特定・多数への提供が222件で、このうち、児童ポルノ画像があるサイトへのアクセスを強制遮断するブロッキングを回避するため、ファイル共有ソフト「P2P」を利用したケースは141件に上った。
児童虐待では、身体的虐待が111件で29件減少、育児怠慢・拒否が3件で7件減少したのに対し、性的虐待は38件で7件増加した。被害児童のうち死亡したのは14人(4人減)だった。
少年非行では、刑法犯で摘発された14歳以上の少年は6・1%減の3万6601人で9年連続減少。東日本大震災で被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県は18・4%の大幅減になった。
14歳未満の触法少年も7・6%減の7862人で3年ぶりに減少。一方、14歳以上の少年の再犯者率は33・4%と平成元年以降最高に。再犯者の人口比(千人当たりの再犯者の摘発人数)は1・7で、成人の3・4倍に上った。
また、警察官が積極的に非行少年の保護者に連絡を取り、継続的な訪問や就労などを支援する「立ち直り支援活動」が今春から始まったが、6月末までに連絡がついた4930人のうち34・4%の1694人について保護者が支援に同意したという。
2011年08月04日 産経新聞