サイバー犯罪:増加 「非出会い系」通じ未成年被害 /宮崎
インターネットを悪用した「サイバー犯罪」の県内での検挙数が今年、大幅に増加している。県警サイバー犯罪対策室によると、8月末現在で33件に上り、統計を取り始めた99年以降、最多だった08年の32件を既に上回った。「非出会い系」サイトを通じて未成年者が性犯罪の被害に遭うケースが増えており、県警は注意を呼びかけている。【中村清雅】
対策室によると、最近の検挙数は、06年=16件▽07年=18件▽09年=25件▽10年=25件。今年の33件の内訳は、詐欺=15件▽県青少年健全育成条例違反=3件▽児童買春・児童ポルノ法違反=2件▽脅迫=2件▽名誉毀損(きそん)=1件▽威力業務妨害=1件--など。
詐欺の大半を占めたのは、口蹄疫(こうていえき)の義援金を求めるメールを不特定多数に送って現金を振り込ませようとしたり、オークションサイトに虚偽の出品をして現金をだまし取るなどの手口だった。
また、18歳未満の未成年者が被害に遭ったのは、育成条例違反と児童買春・児童ポルノ法違反の5件。いずれも「出会い系」でなく、一般のゲームサイトなどの「非出会い系」サイトから、利用者同士がやりとりできるコミュニティー機能を介して知り合った少女らに、男が性行為などをしたケースだった。
パソコンや携帯電話に、有害サイトへアクセスできなくなるフィルタリング(閲覧制限)を設定すれば「出会い系」などへの接続は防げるが、ゲームサイトなどの「非出会い系」は、落とし穴になっているという。
対策室の佐藤勝重課長補佐は「フィルタリングをかけるのは当然だが、保護者は子供のネットの使用状況そのものにも注意してほしい」と話す。
毎日新聞2011年9月20日