10歳の告訴能力認める判決 わいせつ事件差し戻し審

わいせつな行為をされたとして、当時10歳11カ月だった女児が、母親の交際相手の男を告訴した強制わいせつ事件の差し戻し審の判決が14日、富山地裁であった。藤田昌宏裁判長は差し戻し前の一審判決とは逆に、女児は処罰を求める意思を十分示しており、告訴能力はあったと認定。別のわいせつ事件と合わせ、男に懲役14年(求刑懲役18年)を言い渡した。

 男は住所不定、無職田中実被告(43)。藤田裁判長は判決で、学業成績などにみる女児の知的能力などから、告訴能力はあったと判断。さらに2011年4月から6月にかけての、女児の姉(当時15)への準強姦(ごうかん)事件2件と、親族から告訴があった、女児に対する別の強制わいせつ事件1件などについても「倫理観の欠如や反社会性は甚だしく、被害者らの心の傷は深い」として、有罪と認定した。

 今年1月の差し戻し前の一審・富山地裁判決は、女児は幼く、告訴の意味を理解していなかったとして告訴能力を否定。女児が告訴した事件で公訴を棄却したうえで、懲役13年とした。しかし名古屋高裁金沢支部は7月、女児の告訴能力を認めて一審判決を破棄。審理を差し戻していた。

朝日新聞 2012年11月14日

カテゴリー: ニュース, 性犯罪   パーマリンク