県:子どもへ声かけ規制 児童ポルノ「単純所持」も--条例検討 /宮城

 子どもが性犯罪などの被害に遭うのを防ごうと、県は18日に開く「女性と子どもの安全・安心社会づくり懇談会」で、子どもに対する不当な声かけや威圧行為を規制する条例の検討を始める。場所や状況を定義したうえで声かけや威圧行為などに罰則を設けた条例は既に、奈良県や大阪府などが制定しており、県は「犯罪の抑止力になれば」としている。

 子どもの犯罪被害は声かけから始まるケースが多いとされるが、あいさつなどとの違いはあいまいで、法律では規制していない。県によると、正当な理由を除き、子どもに声をかけて立ちふさがる▽すごむ▽体や洋服をつかむ--などの行為の規制を想定し、懇談会で意見を求める。
 同懇談会では、個人が児童ポルノの画像や動画などを趣味で持つ「単純所持」を禁止する条例についても検討する。県は11年度、児童ポルノ関連条例の制定を目指していたが、東日本大震災で同懇談会が休止していた。
 児童買春・ポルノ禁止法は、児童ポルノの製造や不特定多数への提供行為を禁止しているが、単純所持は処罰の対象外。このため、奈良県や京都府などは単純所持を禁止する条例を制定している。国会でも、単純所持の禁止を盛り込んだ同法改正案の提出が検討されている。規制強化に対しては、児童ポルノの定義のあいまいさなどのため表現の自由の観点から懸念する意見もあり、県は国会の動向を見据えて判断する方針だ。【久木田照子】

毎日新聞5月18日朝刊

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