米 人身売買報告書でマレーシアの格付け上げる
NHK NEWS WEB 7月28日 7時01分
アメリカ政府は、世界の人身売買の実態をまとめた年次報告書を発表し、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉に参加しているマレーシアの格付けを、最低ランクから引き上げました。アメリカの法律では最低ランクの国と貿易協定を結ぶことが禁じられていることから、TPPの交渉を念頭に政治的な配慮をしたのではないかという批判も出ています。
アメリカ国務省は27日、強制労働や売春など、いわゆる人身売買を巡る世界の実態をまとめた年次報告書を発表し、この中で、去年、4段階のうち最低ランクに認定されたマレーシアの格付けを、1段階引き上げました。
アメリカ の法律では、この年次報告書で最低ランクに認定された国と貿易協定を結ぶことが禁じられていて、今回の引き上げにより、TPPの交渉の大筋合意に向けた課題の1つが解決したとみられています。ただ、野党・共和党などからは、TPPの交渉を前進させるため政治的な配慮をしたのではないかという批判も出ています。
これについて、報告書の取りまとめに当たったスウォル国務次官は、「マレーシア政府は状況の改善に向けて努力してきた」と述べ、格付けの審査はTPPとは関係がないと反論しました。一方、年次報告書では、日本の外国人技能実習制度が9年連続で取り上げられ、強制労働に悪用されるケースが後を絶たないと批判しています。