女児に性的暴行、撮影し販売 被害者は10人以上…許されざる男の卑劣な手口

2020/12/27 産経新聞

小学生の女児に性的暴行をし、その様子を撮影したとして、神奈川県警少年捜査課は9月23日、強制性交と児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで33歳の男を逮捕した。だが、この事件はあくまで序章に過ぎなかった。同課は今月2日までに男を計4回逮捕。いずれも用意周到な方法で女児に接触していた。被害者は10人以上になるともみられており、最初の逮捕から3カ月を経ても、事件の全容はまだ見えてきていない。

■対象は4歳から  逮捕のたび、同課から東京都杉並区堀ノ内の無職、近藤善広被告(33)=強制性交罪などで公判中=について説明がなされること4回。その犯行内容に、報道各社が集まる県警本部の一室は重い空気に包まれるのが常だった。逮捕順に沿って、その手口を振り返る(被害者の年齢、学年は当時)。

【ケース1】昨年2月、会員制交流サイト(SNS)で知り合った宮城県の小学6年の女児に性的暴行。女児に会うため、東京から仙台を訪問しての犯行だった。  

【ケース2】平成30年4月、このとき勤務していた不動産会社のマンションのモデルルームで、小学4年の女児にわいせつ行為。事件前に知り合った男児に命じて、この女児を呼び出していた。  

【ケース3】昨年6月、交際相手を探すインターネットの「マッチングアプリ」で知り合った40代シングルマザーの娘である4歳児にわいせつ行為。今年3月ごろには自宅で、8歳の姉の体を触るなどした。  

【ケース4】平成29年の9月から12月までの間に千葉県内の公園で、4歳か5歳の女児に性的暴行。一緒に遊んでいた女児の兄を言葉巧みに引き離しての犯行だった。

■「生活の足しに」  行為の多くは撮影され、「生活の足しにしたかった」という理由でインターネットで客を募り、複数人に販売までしていた。なかには数十万円単位のカネが被告の手に渡った映像もあったという。 4つの犯行はいずれも決して許されないものだが、とりわけ耳を疑ったのが「ケース3」だった。同課によると、シングルマザーの女性は、近藤被告から「以前、塾で働いていた」などと説明されてすっかり心を許し、お互いの家を行き来しながら、子供たちの世話を任せるようになる。その結果、何が起きたか。近藤被告は女性が日中、働きに出ている間に女性宅で妹にわいせつ行為に及び、あるときは勉強を教える名目で、都内の自宅アパートに姉を呼び寄せて体を触ったうえ、その様子をカメラに収めていた。  

■母親に付け入り…  「子供目当てで女性に近づいたのかという問いかけには、今のところ『違う』と説明している」(捜査関係者)という被告だが、果たして本当なのだろうか。同課に指摘を受けるまで、女性は娘2人が被害に遭っていることに全く気付いていなかったというから、被告を信じてしまった自責の念はいかばかりか。一連の事件の捜査は、同課が別件で6月、被告の住む都内のアパートを家宅捜索したところ、おびただしい量の児童ポルノが発見されたことが端緒となった。被告は取り調べに、平成29年3月から今年3月まで、10人以上の女児にわいせつな行為をしたなどと供述。同課は、さらに余罪を追及するとともに、現在児童ポルノの購入者の立件も視野に捜査を進めている。

【神奈川県警少年捜査課】 平成16年9月、神奈川県警は少年に関する事件、事案に対する専門性の向上を目的に、それまでの少年課を分課し、少年育成課と少年捜査課が誕生した。少年育成課が、不良行為少年の街頭補導や被害少年の保護などを主に担当するのに対し、少年捜査課は(1)非行少年に係る事件の捜査と事案の調査に関すること(2)少年の福祉を害する犯罪の取り締まりなどに関することを主に担当する。

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