盗撮の規制対象に学校追加、一般住宅の浴室も…改正条例が施行

2/1 読売新聞

盗撮行為の取り締まりなどを強化する改正山形県迷惑行為防止条例が1日、施行された。盗撮などの規制場所はこれまで、不特定多数の人が出入りする「公共の場所や乗り物」に限られていたが、改正により、対象外だった学校や会社事務所、一般住宅の浴室などにも広がった。迷惑行為防止条例は公衆に著しく迷惑をかける行為を防ぐなどの目的で制定された。県が2012年に改正した同条例では、駅や公園、電車、公衆浴場や公衆トイレなど、誰もが自由に出入りできる場所を前提に盗撮行為を禁止していた。改正後9年が経過し、スマートフォンの普及などで盗撮が行われる場所が広がり、SNSで画像や動画が拡散するなどの被害が深刻化した。19年、村山地域の県立高校で、当時50歳代の男性教諭(懲戒免職)がサンダルに小型カメラを仕込み、教室や職員室で、女子生徒のスカートの下に差し入れ、隠し撮りした事件があった。県警生活安全企画課によると、職員や生徒など限られた人しかいない学校は当時、同条例の対象外だったという。県警は同条例での立件を見送り、盗撮した画像を所持していたとして、男性教諭を児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで書類送検した。

同課によると、県内で同条例による盗撮行為の摘発件数は19年は9件、20年は7件だった。今回の改正では、規制場所に、学校や会社事務所、貸し切りバスなど「特定かつ多数の人」が利用する場所や乗り物を加えた。浴場やトイレ、更衣室などは、公共に限らず、学校や住宅など全ての場所を規制対象とした。また、盗撮目的でカメラを設置したり、向けたりする行為も「卑わいな行為」として規制の対象とした。これまでは、カメラを向けるのは「卑わいな言動」として規制していたが、設置は規制対象外だった。盗撮行為の罰則も引き上げられた。「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」から、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」となった。常習と認められれば「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられる。このほか、17年にストーカー規制法が改正されたのに合わせ「家のまわりをうろつく」「拒む相手に連続して電子メールやSNSのメッセージを送る」「性的羞恥心を害するような画像や動画を送る」などの嫌がらせ行為も、規制対象に加えられた。同課の担当者は「犯罪が巧妙化しているが、規制や罰則の強化で被害の抑止につなげたい」と話している。

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