子ども買春問題

子ども買春とは具体的にどのようなものなのでしょうか。子ども買春は、性的目的のために子どもが提供され、それによって誰かが利益を得る時に生じます。こうした売買行為を管理運営あるいは監督する仲介業者、または子どもとの直接交渉におよぶ搾取者によって、子どもたちは支配下に置かれている場合があります。また、食料・住い・身の安全といった生きる上での基本的ニーズと引き換えに性交渉を持つことで売春に足を踏み入れることになる子どももいれば、学校で好成績を得るためや、消費財を購入するための金銭的な引き換えにされる子どももいます。こういったことは、性風俗店(売春宿)や居酒屋、クラブ、個人の住宅、ホテルや漫画喫茶、街頭、電話やインターネットなど、さまざまな場所で行われます。

ここで問題なのは、生き延びていくため、あるいは物品欲しさに子どもが自ら売春を選びとっている、ということではありません。子どもたちが追い込まれていること、すなわち、大人が子どもの弱さにつけこんで性的に搾取し、虐待する状況へと「子どもたちが追い込まれていること」が問題の核心です。たまたま自分が置かれた環境や社会の仕組みによって、そしてこうした世界でうごめく個々の人間たちによって追い込まれていきます。「売春する子どもたち」あるいは「子どもセックス・ワー力一」 という言葉から、子どもが何らかの理由でそうした行為を自ら職業として選んだものだと思われがちですが、それは間違いです。「売春する子ども」を創り出しているのは大人たちです。性的対象として子どもを求めることが「売春する子ども」を生み出しています。子どもは虐待の被害者、犠牲者になります。

国内需要に比べ国外需要はそれほど大きくありませんが、注目を浴びています。特に報道機関からの注目度は高く、軍関係者や開発援助プログラム従事者などが買春という行為により子どもの性的搾取に加担したということが過去にありました。特にアジアや中南米においては近年、組織化された買春観光により、子どもとの性行為を求める需要がますます高まっています。外国資本の投資を促す経済開発政策に惹かれて駐在員や観光客が集まり、そうした外国人による需要も急増しています。

子ども買春観光とは?

コードプロジェクト

コードプロジェクト

旅行者が、多くは開発途上国を訪れ、そこで子どもと性的行為を持つことを言います。これは子どもの商業的性的搾取の一例です。コスタリカには1999年だけで子ども買春の目的で5000人の旅行者が訪れたと推定され、子ども買春観光に関係する逮捕者の80%がアメリカ人でした。政府は資金不足、スタッフ不足など、この問題への対応の遅れを非難されています。しかし最近になり、子ども買春観光委員会を通じ警官を再訓練し、行動規範を改正し、空港近くの看板や税関職員によるビラ配布など、子どもを買春から守る運動を開始しました。