生成AIで児童のわいせつ画像、元小学教諭を児童ポルノ所持で起訴…全国初

12/5 読売新聞

実在する女子児童の画像を基に生成AI(人工知能)で作成された性的画像を所持したとして、名古屋地検は5日、名古屋市立小の元教諭の男(34)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(所持)で起訴した。生成AIで作られたわいせつ画像「性的ディープフェイク」を児童ポルノに当たると判断し、同法違反で起訴したのは全国で初めてだ。男は、児童の盗撮画像などをSNSのグループチャットで共有したとして、性的姿態撮影処罰法違反などで起訴され、公判が始まっている。愛知県警は11月、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで書類送検していた。同法違反の起訴状などによると、男は3月、インターネットの生成AIサイトで編集、加工された児童の性的な画像2点を自宅で所持したとされる。県警によると、勤務先の学校に保管されていた児童2人の画像を別の人物に送信。生成AIによる裸の画像を作ってもらったという。子どもの性的画像の所持や製造は同法で規制されているが、判例上は「実在する子ども」の被害を想定しており、ディープフェイクへの適用は困難とされてきた。県警は性的画像の顔から被害児童を特定できたことなどから、児童ポルノに該当すると判断した。わいせつ物の規制に詳しい神奈川大の上田正基准教授は「生成AIによって作成された性的画像を児童ポルノと判断したのは、現実の姿態を描写している必要があるという児童買春・児童ポルノ禁止法適用の前提に挑戦する判断だ。実在する児童の画像の一部が使われ、生成AIで性的に描かれることを防ぐことに資する」と評価する。一方で、「創作物」との境目があいまいになる恐れがあると指摘。「元画像と生成画像の顔が同一であることを条件とするなど、同法の適用範囲を限定する必要がある」としている。

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