園児の画像、海外ポルノサイトへの転載多数 ネット画像調査で判明
保育園や幼稚園などが裸の園児を撮影し、インターネット上で公開した画像が、ポルノサイトに転載されたり、人工知能(AI)の学習用データに取り込まれたりしていることが毎日新聞の調査で判明した。園側が悪意なく掲載したものであっても、ネットで拡散すると削除は難しく、市民団体は規制強化を求めている。毎日新聞は、ネット交流サービス(SNS)などで啓発している市民団体「子どもを児童ポルノから守る会」の協力を得て、2023年7月以降にネット上で同様の画像を検索するなどして調査した。その結果、保育園、幼稚園、認定こども園など、少なくとも135園が運営するウェブサイトに、園児が胸や下半身を露出している画像が掲載されていた。現在は削除している園もある。撮影時の状況はプールでの水遊び、泥遊び、体に絵の具を塗って遊ぶボディーペイント、乾布摩擦、内科検診など。園児の顔が判別できる画像が大半だった。掲載時期は2000~23年ごろと幅があり、閉園した幼稚園のブログに画像が残されていたケースもあった。このうち、12園が掲載した画像が、性的な画像を集める海外のポルノサイトなどに転載されていることが確認された。80園が掲載した画像は、ページごと外部のサイトに複製・保存されていた。ウェブページを無料で保存できるサービスが利用されており、園側が元のページを削除しても、保存先のURLを知っていれば閲覧可能になる。こうしたURL情報の一部は、ネット掲示板で「幼児の裸の写真」などとして投稿されていた。また、6園が掲載した画像は、AIの学習に使われるデータに組み込まれていることを確認した。言葉を入力するだけで新たな画像を作り出せる「画像生成AI」の訓練に、園児の画像が使われている可能性がある。同会代表の七味れんさん(活動名)は「画像がネットで拡散すると取り返しがつかず、子どもが精神的なダメージを受けたり、思わぬ被害に遭ったりする危険がある。国はネットへの掲載を規制すべきだ」と話している。