AI作成、児童の性的画像の要求も規制対象に 鳥取県が条例改正へ
鳥取県は14日、AI(人工知能)の技術を使って作成した児童の性的画像を提供するよう求める行為を新たに条例で規制する方針を明らかにした。デジタル技術やSNSを利用した被害から18歳未満の子どもたちを守る狙い。県青少年健全育成条例の改正案を県議会2月定例会に提案する方針。
生成AIによる児童の性的画像は、実在する人物の写真の身体を裸に加工するなどの方法で作られ、「ディープフェイクポルノ」と呼ばれる。児童買春・児童ポルノ禁止法の対象は実在することが前提で、AI生成物は規制の対象外だ。
県の条例改正案では、児童ポルノ等の提供を求めることを禁じた部分に、生成AIで合成された画像も含める。また青少年をオンラインカジノに仲介する行為も規制対象に加える。いずれも罰則が設けられている。ネット上の有害情報へのアクセスを制限する狙いで、フィルタリングソフトを利用して閲覧を防止すべき対象に闇バイトとオンラインカジノが含まれることも明確にする。SNSやデジタル技術の利用に関する相談窓口の設置も明記する。
14日の定例会見で平井伸治知事は「ディープフェイクポルノによる児童への侵害や闇バイト問題はグレーだと言っておくと広がってしまう。子どもを守るため、関係者に認識してもらうため、ルールの明確化と解釈の適正化が重要だ」と説明した。