アマゾン:児童ポルノ出品、09年に指摘 東京のNPO
毎日新聞 2015年01月25日 07時26分(最終更新 01月25日 08時25分)
自社の商品サイトへの児童ポルノ写真集出品を放置し、販売を手助けした疑いがあるとして、愛知県警がネット通販大手「アマゾンジャパン」(東京都目黒区)を児童ポルノ禁止法違反(提供)のほう助容疑で家宅捜索した事件で、同社が2009年、性的被害の救済活動をするNPOから児童ポルノの可能性がある商品の販売取りやめを要請されていたことが24日、分かった。県警は昨夏以降、アマゾンに出品された児童ポルノ写真集を発見しており、NPOは同社の対応が不十分だと指摘している。
NPO法人「人身取引被害者サポートセンター ライトハウス」(東京都)は09年、アマゾンの出品状況を調べ、水着姿の女児や半裸の男児の写真集、DVDなど136点を見つけ、アマゾンジャパンに対し、児童ポルノに該当する疑いがあると指摘した。同社から正式な回答はなかったが、後日、商品の約6割がサイトから削除されたのを確認した。
アマゾンは個人や商店が出品した商品を販売し、出品規約で「商品は児童買春・児童ポルノ禁止法等、日本の法令を順守しているものでなければならない」と定めている。
しかし、県警は、アマゾンのサイトに複数の児童ポルノ写真集の出品を発見し、昨年9月に出品していた古書店の経営者の男ら2人を児童ポルノ禁止法違反容疑で現行犯逮捕するなど全国約10業者を摘発した。捜査関係者は「児童ポルノに該当すると認識しながら出品を放置していれば、ほう助容疑にあたる可能性が高い」としている。
NPOの藤原志帆子代表は「09年に要請したにもかかわらず、状況は変わっていない。違法かどうかの線引きは難しいが、子どもが性的商品にされ、大人が利益を得ている状況だ。出品への規制をもっと厳しくすべきだ」と話した。【山本佳孝】