児童買春・児童ポルノ禁止法改正を求める緊急要望書を掲載しました
児童買春・児童ポルノ禁止法改正を求める緊急要望書
国会議員の皆様へ 2014 年6 月3 日
私たち「ECPAT(エクパット)/ストップ子ども買春の会」は、児童ポルノの単純所持の処罰化を含む法改正への動きを支持し、一日も早い法改正を願います。しかし法改正にあたって多くの抜け穴ができてしまい、被写体となった子ども達を被害から守れない事態が起こることを危惧しています。
1. まずは一日も早い「単純所持の処罰化」を含んだ法改正を求めます。
児童ポルノは性虐待、性搾取の証拠であり、存在そのものが子どもへの重大な人権侵害です。単純所持を処罰化しなければ、証拠として現存する大量の児童ポルノに関して何ら手立てを講じることができません。OECD 加盟国34 か国の中で単純所持を処罰化していないのは日本のみです。欧州ではすでに単純所持のみならず意図的な児童ポルノへのアクセスを禁ずる方向で規制強化が進んでいます。日本でも一日も早い単純所持の処罰化を求めます。
2. 児童ポルノ法禁止法修正案での適用上の注意(第3 条第1 項)における、適用にあたっての例外規定ともとれる規定の拡大に大変懸念を覚えるものです。
学術研究・文化芸術活動、報道等に関する国民の権利と自由の確保は、被害児童の権利よりも優先されるべきものではありません。例外規定ともとれるこうした適用上の注意規定の拡大は、学術研究や文化芸術活動の名の下に児童ポルノが存在し続けることを許し、被害児童が犠牲になり続ける事態を生むことを可能にしかねません。捜査過程における警察の権力濫用の問題は、麻薬や拳銃等の捜査の場合と同様にそれ自体としてしっかり議論されるべきものであり、ここで被害児童の権利と引き換えにされるべきではありません。適用上の注意に関して現行法のままの規定を求めます。
3. 現行法で取り締まりの対象外とされてしまっているいわゆる「着エロ」をきちんと児童ポルノとして処罰化することを求めます。
現行法下では、小中学生が極小の水着を着て性器が強調されたポーズをとらされているいわゆる「着エロ」が、ほとんど取り締まられることなく野放しにされているのが実情です。被写体の少年少女は低年齢化し、海外の少女も被害にあっています。契約を交わしたと違約金で脅され出演を迫られる少女達もいます。こうした「着エロ」がきちんと児童ポルノとして取り締まられることを求めます。
ECPAT/ ストップ子ども買春の会は、国際NGO の ECPAT(エクパット: End Child Prostitution, Child Pornography and Trafficking of Children for Sexual Purposes) の活動を日本で担う団体として1992 年に発足して活動しています。URL: http://ecpatstop.jp Mail: info@ecpatstop.jp